葺き替え・カバー工法2つの屋根リフォームの違い・特徴解説

葺き替え・カバー工法2つの屋根リフォームの違い・特徴解説

屋根は住宅にとって、雨や紫外線から守ってくれる大切な役割を担っています。一方で、日中は常に紫外線を浴びているので外装の中でも、どうしても劣化しやすい部類に入ってしまうのです。

 

気付かぬうちに劣化が進み、ある時、急に雨漏りし始めたりしたら大惨事ですよね。

 

だからこそ、屋根のメンテナンスやリフォームが大事なのですが「そもそも屋根のリフォームってどんなことをするの?」とわからない人がほとんどでしょう。

 

そこで屋根リフォームの代表的な2つの施工について、それぞれを解説していきます。後半では費用相場や実際の事例もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次:この記事で分かること [非表示]

屋根リフォームには「葺き替え」と「カバー工法」がある

屋根リフォームで代表的なのが「葺き替え」と「カバー工法」の2種類です。

「葺き替え」というのは古い屋根材を撤去し、新しい屋根材を張り替える工事になります。「カバー工法」は既存の屋根材の上から新しい屋根材で覆う施工です。それぞれの施工方法にはメリット・デメリットがあります。

「葺き替え」のメリット・デメリット

「葺き替え」のメリット・デメリットは次の通りです。

【メリット】
・傷んだ下地から張り替えられる
・屋根材によって30年以上の長期保証を得られる
・最新の軽くて強い素材にできる

【デメリット】
・費用が高い
・工期が長い
・廃材が出る

工事も大掛かりになるため、費用も工期もかかりますが、その分安心感を得られるのが「葺き替え」の特徴になります。

「葺き替え」の工事の流れと費用感

①足場工事
②屋根撤去
③下地調整
④野地板張り
⑤ルーフィング(防水シート)
⑥各種板金取付
⑦屋根本体張り
⑧棟板金取付

工期はだいたい10日〜18日ほどで、費用は足場代を含めて100万円〜180万円ほどになることが多いです。

屋根リフォーム(葺き替え)工事を行うべきサインは?

屋根の劣化をそのまま放置していると、雨漏りなどの重大な不具合に発展してしまいます。

ご自宅の寿命を縮めないためにも、適切なタイミングを見計らってリフォームすることが重要です。

そこで、中でも葺き替えが必要な4つの症状をご紹介するので、ご自宅の屋根の状態と比較してみてください。

・屋根材の一部が欠けたり、ひび割れしている

・屋根材にコケがついている
image2

・屋根がふかふかする(水分を含んでいる状態)

・すでに雨漏りしている

このような状態が出ている場合は、早急に屋根リフォームをされることをお勧めします。

「カバー工法」のメリット・デメリット

「カバー工法」のメリット・デメリットは次の通りです。

【メリット】
・廃材がほとんど出ないので費用・工期を抑えられる
・屋根が二重になるので断熱性と遮音性がアップする
・アスベストを含んでいても飛散の心配がない

【デメリット】
・屋根が重くなるため耐震性能が下がる
・後々の下地の補修が困難になる

費用・工期を抑えられる代わりに、もしその後雨漏りが起きてしまった場合には、原因追及はもちろん補修費用が高くなるケースがあります。

「カバー工法」の工事の流れと費用感

①足場工事
②棟板金撤去
③ルーフィング
④各種板金取付
⑤屋根本体張り
⑥棟板金下地取付
⑦棟板金取付

工期はだいたい6日〜14日ほどで、費用は足場代を含めて60万円〜120万円ほどになることが多いです。

屋根リフォーム(カバー工法)ができない屋根は?

屋根材をすべて葺き替えるリフォーム工事とは異なり「カバー工法」はコスパが良いことがわかったと思います。

しかし、すべての屋根に「カバー工法」が採用できるわけではありません。

「カバー工法」ができない屋根の例を挙げると、

瓦屋根

カバー工法は現在の屋根材に上から新しいガルバリウム鋼板などの金属屋根を重ねていきます。

そのため、表面が凸凹と波打っているような瓦屋根では「カバー工法」は採用できません。

また、瓦屋根は重たい屋根材なので、さらに重量が増す「カバー工法」は向いていないでしょう。

トタン屋根

トタン屋根は表面が平らで軽量なので「カバー工法」をおこなうことは技術的には可能です。

しかし、古いトタン屋根の場合は下地まで傷んでいることが多く、そのまま屋根材を重ねていくのは不安が残ります。

下地から張り替えていく「葺き替え」工事が一般的でしょう。

劣化が進んだスレート屋根

スレート屋根は「カバー工法」をおこなう方が多いですが、劣化が進んでしまっている場合にはお勧めできません。

例えば、屋根が水分を含んでふかふかしている状態や、すでに雨漏りしている状態だと、その上から「カバー工法」をおこなうのは絶対に避けたほうがいいでしょう。

目安として築40年近ければ、まず「カバー工法」は不可能だと思っておいてください。

どちらの工事にすべき?屋根材を確認しましょう

今使われている屋根材や年数によって、そもそもカバー工法ができなかったり、どちらの工事にすべきかが絞られてきます。

まずはご自宅の屋根材に何が使われているかを確認し「葺き替え」と「カバー工法」のどちらにすべきかを検討してみてください。

今使われている屋根材は、瓦屋根、スレート屋根、金属屋根のいずれかが一般的です。

 

瓦屋根

スレート屋根

金属屋根

画像

特徴

耐久性高いが重く耐震性に影響が出ることも

瓦屋根より軽く、地震に強い、価格が安価

ガルバリウムにすると高価だが耐久年数が長い

カバー工法が可能か?

不可能

可能

可能

葺き替えが可能か?

瓦→瓦:◯

瓦→ストレート:◯

瓦→金属:◯

スレート→スレート:◯

スレート→金属:◯

金属→金属:◯

 

それぞれの屋根リフォームの費用相場や事例を見たい方へ

ここまで屋根リフォームの「葺き替え」と「カバー工法」について、それぞれのメリットや特徴などについて解説していきました。

今のあなたのご自宅が、どの屋根材を使われていて、どちらの工事を希望されるか、検討がつきましたでしょうか。

「検討はついたけど、それぞれの詳しい費用感や事例なども見てみたい」と思われた方もいらっしゃると思います。

そこで、私たち「みやこリフォーム」が実際に手がけた屋根リフォーム事例をもとに、より詳しいリフォーム相場を解説した記事を作成しました。

詳しくは以下からご覧ください。

事例で分かる!葺き替え屋根リフォーム費用相場をプロが解説>>

事例で分かる!カバー工法屋根リフォーム費用相場をプロが解説>>

この記事を書いた人
人生に何度とないリフォームの機会だからこそ、後悔させないリフォームをお約束します!工事を通じて、家のことで何かあれば、お声かけいただけるような関係を築けるようがんばります!
みやこリフォーム運営責任者
営業部長小川 剣人

略歴

大阪大学人間科学部卒業、グロービス経営大学院卒業(MBA)
新卒で日本生命保険に入社。
社内システム構築や営業企画に従事。
その後、リフォーム系メディアを運営するITベンチャーに転職。全国500以上のリフォーム会社への営業経験と、紹介ビジネスを通じたエンドユーザとのやり取りから、リフォーム業界への見識を深める。
現在、みやこリフォームの責任者として従事。

所有資格

宅地建物取引士、ガス機器設置スペシャリスト、日本ホームインスペクター協会認定会員、応用情報技術者、簿記2級、ファイナンシャルプランナー2級、電気工事士、日本ガス協会簡易内管施工士など