「こんなはずじゃなかった…」
せっかくのリフォームが、そんな後悔につながってしまうケースは少なくありません。
本記事では、リフォームのプロが実際の現場で遭遇してきた「思わぬトラブル」を4つ厳選してご紹介します。
これからリフォームを検討される方は、ぜひ参考にしてください。
トラブル①:住みながらのリフォームは想像以上に大変
リフォームには、「住みながら行う」ケースと「一時的に住まいを離れて工事を行う」ケースがあります。
一見、「住みながらの方が手軽でコストも抑えられる」と思いがちですが、実際には大きなストレスが伴います。
音と埃が日常生活を直撃
とくにLDKやキッチンまわりの工事では、石膏ボードの解体や大工作業によって、大量の粉塵が発生します。
どれだけ養生しても「真っ白けっけ」と表現されるほどで、集塵機を使っても完璧には防げません。
また、以下のような大きな音も生活に支障をきたします。
- インパクトドライバーの「ガガガ」という音
- コンプレッサーの「ブルブルブル」という低音
- タイルの解体音や解体機の振動
テレビを見たり、会話をしたりといった普段通りの生活が難しくなることを想定しておく必要があります。
養生による移動制限と転倒リスク
床にはエコフルガードなどの養生シートが敷かれます。これは滑りやすく、特に素足やスリッパだと足が白くなったり、滑って転びやすくなったりします。段差もできるため、高齢者の方は要注意です。
「ずり足」の方や、バリアフリーに慣れた高齢の方には、転倒リスクが高く、一時的な仮住まいの利用をおすすめすることもあります。
精神的にも大きな負担に
- 業者の出入りによる落ち着かない生活
- 工事中の会話や音へのストレス
- 工事中のキッチンやトイレ使用の制限
こうした要因が重なると、想像以上のストレスになります。
トラブル②:見積もりの確認不足がトラブルの原因に
リフォームで多いトラブルのひとつが、「ちゃんと伝えたはずなのに、やってくれなかった」というものです。
その多くは、見積書の内容に要望が反映されていなかったことに起因します。
要望は見積書に「書面で」残すのが鉄則
工事の規模が大きくなると、要望の数も多くなります。たとえば500万円規模のリフォームでは、20〜30項目以上の要望があることも珍しくありません。
打ち合わせの中で口頭で伝えた内容が、実際の見積書に漏れているケースもあります。
必ず以下をチェックしましょう:
- 「要望通りの内容が書かれているか?」
- 「仕様やメーカー名、グレードが合っているか?」
- 「希望していた付帯工事も含まれているか?」
相見積もりを取る場合は要望の伝達に注意
複数社に見積もりを依頼すると、どの会社にどの要望を伝えたか混乱しがちです。
よくあるのが、間違って別の会社に電話してしまうケースや、すでに依頼していない業者にクレームを入れてしまうトラブルです。
要望を各社に同じように伝えるために、自分でチェックリストを作って管理するのも有効です。
トラブル③:「全部キレイになる」と思っていませんか?―仕上がりの見落としに注意
リフォーム後の仕上がりを想像して、「ここも新しくなって当然」と思い込んでしまうことがあります。
ですが実際は、工事内容に含まれていない箇所はそのままであることが多いのです。
よくある誤解の例
- 壁紙を張り替えたのに、スイッチカバーやコンセントは古いまま
- ユニットバスを交換したのに、給湯器リモコンは再利用
- フローリングを新しくしたのに、巾木(はばき)やドアが古くて浮いて見える
こうした部分は、見積書に記載がなければ基本的に対象外です。
見積書で「含まれていない部分」を確認しよう
つい「やってくれるはず」と思ってしまいがちですが、見積書には含まれない工事もはっきり記載されている場合があります。
たとえば:
- 「既存リモコン再利用」
- 「スイッチ・コンセント交換別途」
- 「巾木交換なし」
などが書かれていないか、よく確認してください。
不明点は「これは含まれてますか?」と遠慮なく聞くことが大切です。
細かい部分の見た目もイメージしておく
工事後に「ここだけ古くて浮いてる…」ということがないように、完成後の全体の見た目をイメージしてみましょう。
- 真っ白な壁紙に、黄ばんだスイッチが浮いて見えないか?
- 床の色と巾木の色は合っているか?
- 古い窓枠やドアとのバランスは大丈夫か?
小さな違和感が、満足度を大きく左右します。
トラブル④:工事中に発覚する「追加費用」に要注意!
リフォームでは、工事を始めてから初めて問題が発覚することがあります。
たとえば、壁を壊してみたら中が腐っていた、床が傾いていたなど、**事前には見えなかった“隠れた不具合”**が見つかるケースです。
よくある“追加費用”の原因
- 壁の中の下地が腐っていた
- 浴室の床下が水漏れで傷んでいた
- 床が傾いていて、水平調整が必要
- クロスの下地がボロボロで張り直せない
こうした場合は、追加で数万円〜数十万円の費用が発生することがあります。
解体してみないと分からない部分もある
とくに築30年以上の住宅では、こうした事例は珍しくありません。
- 1980年代以前のタイル風呂では、壁裏や床下が腐っているケースが多い
- 在来工法の浴室では、シロアリや漏水のリスクもある
- 湿気の多い家では、クロスの下地が劣化していることも
追加費用の説明があるか事前に確認
信頼できる業者であれば、
- 「こういうケースでは追加が出る可能性があります」
- 「その場合は、追加見積もりを提示してから工事します」
- 「この物件の築年数なら、事前に予備費を組んでおきましょう」
といった説明があるはずです。
事前にそうしたやり取りがあるかを、業者選びの判断基準にもしてください。
まとめ|後悔しないために、「想定外」を減らすのがカギ
リフォームは、“理想の住まいづくり”を実現するための貴重な機会です。
だからこそ、**「聞いてなかった」「そんなはずじゃなかった」**という後悔を避けるために、事前の確認がとても重要です。
✅ 落とし穴チェックポイント(振り返り)
- 住みながらのリフォームはストレスが大きい。可能なら仮住まいも検討を。
- 見積書には「希望通りの内容」がすべて記載されているかを必ず確認。
- 「ここもキレイになると思ってた…」を防ぐために、仕上がりの細部まで確認。
- 追加費用の可能性と、発生したときの対応を事前に聞いておく。
どの業者に頼むかで、リフォームの結果は大きく変わる
「誠実に説明してくれるか」「不安に思うことを丁寧に教えてくれるか」――
それが信頼できるリフォーム業者選びの最大の基準です。
一度きりのリフォームで後悔しないために、今回ご紹介した内容を、ぜひご自身の計画にお役立てください。